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高齢者を詐欺から守る対策についてわかりやすく解説

高齢者の生活の困りごとを解決

高齢者が詐欺にあってしまう事件は多く、毎年多大な額の被害が出ています。何年も前からニュース等で注意を呼び掛けてはいますが、なかなか減る気配がありません。

確かに一人ひとりの詐欺に対する意識はあがっていますが、詐欺のやり方も巧妙になっており、つい引っかかる高齢者が未だに多いようです。

せっかく長い年月をかけて積み重ねた自分の財産を、たった一度の詐欺で失ってしまうことは絶対に避けたいでしょう。

今回は高齢者の生活を脅かす詐欺について、特徴と背景についてふれ、後半では詐欺にあわないようにするためのポイントについて解説していますので、是非最後までご覧ください。

高齢者が被害にあいやすい特殊詐欺とは?

特殊詐欺とは、不特定多数の人に電話やメールなどを使い、直接会うことなく上手く誘導し、現金などをだまし取る詐欺のことです。よく耳にする「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」がこれにあたります。代表的な特殊詐欺を3つほどあげて説明します。

オレオレ詐欺

最も皆さんに知られている特殊詐欺といえばこの「オレオレ詐欺」でしょう。離れて暮らしている家族(息子など)のフリをして、何らかのトラブルに巻き込まれたという理由でお金を要求する手口です。

知らない番号からかかってきた高齢者に対して「携帯電話の番号が変わった」といった言い訳をしたり「風邪で声の調子がおかしい」などと言うことが多いようです。

また「会社のお金を使ってしまった」「今すぐにお金を用意しないと大変なことになる」など緊急性を訴え、相手に考える余裕を与えない言葉ぶりも特徴的です。

還付金詐欺

自治体職員、税務署、年金事務所等の公的機関を装い、医療費や保険料・年金などの還付金や給付金が受け取れると誤解させ、ATMに誘導・操作させ、口座から現金を振り込ませる手口です。

「保険料の過払いがありました」「年金の一部未払いがあります」など、お金を受け取れるという内容の電話をかけてきます。

また「払い戻しには期限があるので、すぐにATMに向かってください」と不安感をもたせ、入金を急がせることも多いようです。

架空料金請求詐欺

心当たりのない買い物商品やサービスの利用をかたって、一方的に料金を請求してくるタイプの詐欺です。明確な料金の内訳がなく、身辺調査、裁判の開始、会社へ請求するなど、料金請求以外の文言で不安をあおるような言葉が特徴です。

最近はショートメールで「有料サイトの料金が未納です」と送り、不安になってそこにある電話番号に電話すると早急な支払いが必要であることを言われ、コンビニの電子マネー購入を促されるかたちも増えています。

特殊詐欺以外に高齢者が被害にあいやすい詐欺は?

高齢者の詐欺被害で特殊詐欺以外に多いのが訪問販売等の直接自宅に人が訪れるかたちと、電話で複数の人物から言葉巧みに言われる勧誘型の詐欺があげられます。

訪問販売

高齢者は販売購入型の被害も多く、特に不必要なリフォームの勧誘や訪問販売に関する相談は増えているようです。不安をあおって強引に話を進めたり、虚偽の説明をすることで購入しないと大変なことになると勘違いさせ、商品を売るかたちです。

また認知症高齢者の場合、判断力が低下していることも多く、悪質な勧誘でも判断がつかないまま、相手の思うようにお金を支払ってしまうこともあります。

独居高齢者だと話す相手も少ないため、つい訪問してきた相手に心を許してしまい、買ってしまうこともあるでしょう。本人はそれほど気にせず、帰省した家族が後から分かって対応が遅れることもあるようです。

劇場型勧誘

高齢者をターゲットとした特有の詐欺の一つに老人ホームや介護施設などの入居の権利にまつわる詐欺があげられます。「老人ホームや介護施設の入居権利を譲ってほしい」という電話からはじまり、結果的にお金を払ってしまう詐欺です。

複数の人物が登場するいわゆる「劇場型詐欺」で「老人ホーム入居権」を譲ってほしいと持ちかけた後に「申し込みするためにあなたの名義でお金を払う必要がある」「権利を譲るには取引の実績が必要」などと、あらゆる言葉で仕立てあげらるのが特徴です。

劇場型勧誘は入居の権利だけではなく、未公開株や社債などを買わせる詐欺としても多発しております。投資意識の高まりで、高齢者だけではない年齢層でも今後増えていく可能性がある詐欺です。

高齢者はなぜ詐欺被害にあいやすいのか?

詐欺被害にあうのは高齢者が圧倒的に多く、特に「オレオレ詐欺」等の特殊詐欺の86%は65歳以上の方が被害にあっています。なぜこれほど高齢者は詐欺にあいやすいのかをまとめてみましてので参考にしてください。

一人暮らしが増えて孤立している

高齢化率の増加とともに一人暮らしの高齢者がどんどん増えていることが、詐欺被害増加の背景にあります。一人での生活はどうしても情報が入りづらく、相談相手もいないため、詐欺に引っ掛かりやすい状況です。

また一人の時間が長いと孤独を感じてしまう人もいるでしょう。そんなときに人と接すると、初対面でも受け入れてしまう人が多いようです。さらに相手は言葉巧みにコミュニケーションをとってくるので、つい心を許してしまいます。

家族が遠くに離れていると、たとえ被害にあったとしても心配をかけたくない思いから伝えることはなく、家族の知らないところで騙されている高齢者も多いかもしれません。

詐欺の手口がより巧妙になっている

騙された人のほとんどが「まさか自分が詐欺に合うとは思わなかった」と感じるほど、詐欺をはたらく人のやり方が巧妙になっています。

上記に紹介した「劇場型勧誘」のように日常ではあまり体験できない想像を超えるシチュエーションをつくることで、判断力が鈍り考える時間もなくなります。

ニュースや警察の呼びかけ等でいくら分かっていても、詐欺グループはありとあらゆる新しい手を考え、高齢者の財産を狙ってきます。

認知症の高齢者が増えている

一人暮らしの高齢者と同様に増えているのが認知症の高齢者です。2025年には65歳以上の5人に1人は認知症高齢者といわれています。

認知症の症状としては物忘れや理解力の低下があげられ、悪質な詐欺に直面しても、なかなか気づかず騙されてしまいます。また訪問してきた人を警戒せず、簡単に中に入れてしまう傾向もあり、日頃から気を付けるように伝えてもすっかり忘れてしまい、被害につながってしまいます。

詐欺被害にあわないための対策

ここまで高齢者があいやすい詐欺の特徴と理由についてまとめました。ではどうすればこれらの詐欺を防ぐことができるのでしょうか。ここでは有効な予防対策を3つと実際に詐欺にあった時の連絡先をあげています。

日常的に詐欺に対して予防できる環境をつくる

詐欺にあった人の多くがまさか自分が詐欺にあうとは思わなかったと言われるそうです。それほど詐欺グループは手口が巧妙で上手く騙してくるため、いかに日ごろから詐欺に対しての意識を持っておけるかが重要となります。

電話の前に張り紙を貼って常に注意を呼びかけたり、定期的に家族や知人が連絡をとり、孤立させない中で防犯意識を高めるはたらきかけが必要です。

高齢者になるとどうしても判断能力の低下や孤立度が増すため、そこをいかに環境と人でサポートし、高齢者自身の予防意識を高めることが1つの対策方法と言えるでしょう。

詐欺対策ができる携帯や電話を使用する

高齢者への詐欺被害が拡大するなか、最近は詐欺や迷惑電話を予防するための機能がついた携帯電話や自宅用の電話もあります。

例えば登録されていない電話番号からかかってきたら「この電話は録音しています」と相手にガイダンスが流れ、詐欺の抑止の効果があります。また自身にも詐欺対策中などのメッセージが流れ、詐欺にあわないためのサポートをしてくれます。

自宅の電話も「迷惑電話対策中です」等のメッセージが流れたり、同じ相手から何度もかかってくるような時は通話拒否ができるなど、電話の対策をすることは予防方法として大変効果が高いでしょう。一度設定してしまえばずっと使えて家族の安心感にもなる、おすすめの対策方法です。

ATMの限度額を決めておく

銀行などの金融機関も詐欺対策の一環で1日に振り込める金額の上限を設けています。もし詐欺にあった場合でも被害を最小限にするために、利用できる金額を必要最小限に引き下げておくことも対策の一つとして有効です。

また詐欺グループが高齢者を誘導してATMで限度額を引き上げる等の行為を促している場合は、金融機関でもすぐ気づけるようにアンテナを張ってくれている可能性もあります。詳細について利用している金融機関に問い合わせてみても良いでしょう。

詐欺にあった時の相談窓口

万が一詐欺にあった時には次の相談窓口にすぐに連絡しましょう。

  • 消費者ホットライン188:消費生活全般の困りごとについて全国どこでも近くの相談窓口をご案内します。
  • 警察相談専用電話:もしかしたら詐欺かもと感じることがあれば「#9110」に電話すると地域の警察の相談窓口につながります。不安な時は迷わず電話しましょう。
  • 金融機関:もし振込詐欺にあった場合は早急に金融機関に連絡しましょう。その際には振り込んだ相手先の金融機関に連絡し、相手の口座を凍結するようにお願いしましょう。

さいごに

高齢者が住み慣れた自宅でこれまで通りの生活をするためにも詐欺から貴重な財産を守ることは大変重要なことです。高齢者が詐欺にあいやすい背景に一人暮らしや認知症高齢者の増加をあげましたが、いかに孤立させず、周りでサポートできる環境をつくるかがポイントになります。

今回の記事を読んでいただき、大切なご家族の財産を詐欺被害から守れることに少しでもつながれば大変嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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