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高齢者の難聴について有効な対策をお伝えします

高齢者の生活の困りごとを解決

高齢になり少しずつ耳が聞こえにくくなると、どうしても生活の中で不自由さを感じることが増えていきます。難聴は少しずつなっていくので、本人はなかなか気づかずに、家族や知人が「最近耳が遠くなったな」と感じることが多いかもしれません。

聞こえにくくなることで電話やインターホン、お湯が沸いた音に気付かなかったりして、困ることもあるでしょう。外では車や自転車の音に気付かずに事故のリスクもあがってしまいます。

難聴は高齢者の生活の質を落としたり、ケガのもとにもなりかねないので、可能なかぎり予防と対策をしたいと思う人も多いと思います。

今回は高齢者が難聴になる理由とリスクについてふれた後に実際に有効な予防策や対策方法について説明しています。是非最後までお読みいただき、安心できるシニアライフにいかしていただければ嬉しく思います。

高齢者が難聴になる理由

まずはじめに高齢者が難聴になる主な理由についてふれます。難しくお伝えすることはさけ、ここでは簡単に2つ、高齢者の難聴の理由をとりあげています。

加齢性難聴のため

75歳以上の高齢者の約半数以上が耳の聞こえにくさを感じ、生活の中で何らかの不自由さを感じていることが多いようです。早い人は50代から聞こえにくさを感じる人もいます。

これは加齢性(老人性)難聴というもので、年齢を重ねることで耳の中にある音を感知する有毛細胞が少なくなることで起こる老化現象です。

有毛細胞は一度減ると再生が難しいとされており、加齢性難聴の予防はいかに有毛細胞が減らないように生活の中で気を付けるかがポイントになります。

大きな音の聞き過ぎ

生活の中で大きな音や騒音にふれる時間が長いと耳へのストレスが大きくなり、正常な細胞を壊してしまうため、難聴の原因になります。

よく色々な生活音が混じってしまうことでTVの音がつい大音量になる高齢者はいるかもしれませんが、気づかないうちに耳の中の細胞が少しずつ減っている可能性があります。

また聞きやすいからといってイヤホンで聞く習慣がある人も、必要以上に耳に負担がかかり、有毛細胞の減少につながる可能性があるため、あまりおすすめはしません。

高齢者が難聴になることで困ることは

では高齢者が難聴になることで具体的にどんなことが「困りごと」としてあげられるでしょうか。ここでは生活する中で難聴を原因として考えられる主な困りごとを3つあげています。

生活の中で気づかないことが増える

冒頭で少しふれましたが難聴になると生活の中にあるあらゆる音を逃してしまいます。たとえば電話やチャイムの音は家族や地域からの連絡も多いと思いますので、聞き逃すことで繋がりが減ってしまいます。

本当に重要な連絡に気づかないことは本人にとって避けたいことでしょうし、せっかくの家族からの連絡が分からなければ孤独感を感じてしまいます。

他にも洗濯機や電子レンジ、暖房機器など、家の中の色々なものが音によって通知するものであり、それらが聞こえにくくなると、生活の中で不便に感じることも増えるでしょう。

人とのコミュニケーションや活動量が減る

自分が耳が聞こえにくいと他者との会話に気を遣ってしまい、話す機会が減っていきます。相手も聞き返すことができにくいため、徐々に人とのコミュニケーションが減ってしまいます。

コミュニケーションが減ると意欲も低下し、並行して外出機会も少なくなっていった結果、閉じこもりがちになってしまいます。活動量が低下すると運動量も減り、体力や筋力の衰えから転倒のリスクが高まります。

閉じこもりは、孤立感を増幅させ、うつ症状や認知症の要因にもなります。難聴はこのように生活の中での困りごとだけにとどまらず、社会や人との繋がりに大きな損失を与えかねません。

認知症のリスクが高くなる

アメリカのある研究で認知症になりやすい人を比較したところ、比較的耳が良い人と比べて、中度難聴の人は3倍、重度難聴の人は5倍も認知症になりやすいというデータがあります。

音の刺激があることは脳の活性につながりますが難聴になると脳への情報が届きにくくなり、脳萎縮や神経細胞の衰えにつながります。結果的に認知症がすすんでしまい症状が悪化してからだと、ケアが大変になります。

先ほど難聴でコミュニケーションの問題をあげましたが、人とのやり取りが減ることも脳機能の低下になり、色々な刺激が少なくなる難聴は認知症リスクの大きな要因になっています。

高齢者の難聴を予防する方法

難聴は症状が悪化するとなかなか治らないため、早い段階からの予防が大変有効になります。難聴の要因としては生活習慣の他に、病気で悪化することもあり、それらのマイナス因子を極力抑えることが重要となります。

生活習慣病の治療と予防

難聴を悪化させる主な病気として、糖尿病、高血圧、動脈硬化症などがあげられます。これらの病気は内耳や脳の血流が悪くなってしまい、難聴が進んでしまいます。

生活習慣病を予防するには適切な食事と適度な運動が必要です。塩分を多く摂ったり、過度な飲酒や喫煙は病気と難聴を悪化させてしまうので注意が必要です。

少しでも早い段階から意識して生活習慣を改善することが、後からの人生を生き生きと過ごすために必要なことでしょう。

ストレスが少ない環境をつくる

難聴の原因にあげられる「酸化ストレス」は内耳の組織を壊す恐れがあるため、生活の中で騒音等に身を置くことはできるだけ避け、リラックスできる時間を多く設けることが大切になります。

またTVやラジオを大音量で聞いたり、イヤホンを多用することは、やはり耳の細胞に良くありませんので、そういった習慣がある人は見直しましょう。

ゆっくり自然の中で過ごしたり、入浴やマッサージなどで血流を促すような時間も定期的にもちながら、耳に優しい時間を意識すると良いでしょう。

高齢者の難聴に対して有効な対策

先ほど難聴の予防策について説明しましたがここでは実際に難聴になってしまった人に対しての有効な対策についてお伝えします。

補聴器を調整する

一番有効で皆さんに知られている難聴の対策として補聴器の利用があげられます。補聴器はできるだけ耳鼻咽喉科を受診し、自分の聴力をはかってもらいながら調整すると良いでしょう。

最近はインターネットで安価で売れていますが、補聴器は個々にあったものでないと効果が薄くなりがちです。せっかく買ったのに耳に馴染まなかったり、聞こえが改善しないこともありますので専門医に診てもらうことをおすすめします。

とはいえ補聴器は高価でなかなか利用できにくい面もあるかもしれません。補聴器の専門店によって、購入ではなくレンタルが可能だったり、難聴が重度であれば専門医の意見書等で障がい者手帳が該当となり、補助が受けられる時もあります。

難聴は認知症の大きな要因になるため、できるだけ早い段階で補聴器等で改善し、人との繋がりが途切れないようにしましょう。

サポートグッズで環境を整える

補聴器の他に難聴の人が生活の中で困らないようにするためのサポートグッズがあるので、それらも活用すると良いでしょう。

例えば光で電話や来客を教えてくれる機械や腕時計が振動して教えてくれるものなど、生活スタイルや自分に合わせたサポートグッズを選ぶ方法もあります。

また耳穴式のイヤホンは耳にストレスが大きいですが、耳掛け式や骨導で聞こえるタイプのイヤホンもあり、補聴器以外でも色々な難聴をサポートするグッズを有効に使うことで、生活の不自由さを軽くすることができます。

まとめ

今回は高齢者の難聴における原因とリスクについてふれ、後半で難聴を予防する方法や対策について説明しました。

難聴になると生活の質が低下したり、認知症のリスクがかなり高まるので、早い段階で対応することをおすすめします。

是非ここで紹介した情報をもとに、難聴に対する意識を高めていただき、難聴になる前の人はしっかり予防していただき、実際に聞こえにくくなっている人も専門医やサポートグッズに頼りながら、できるだけ楽しい人生を送っていただきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。これからも明るいシニアライフを実現できる情報をお伝えしていきます。

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